北と日記

北海道在住の大学院生のブログ

家賃という壁にぶち当たる

 昼下がり、自分は部屋でブログのCSS編集作業をしていた。突然着信があった。布団に投げ出していたスマホを手に取ると、不動産会社の名前が画面に映されていた。電話に出ると、担当の女性の声が聞こえた。彼女はおそるおそるといった様子で話を切り出した。「実は、先程差し上げたメールの内容に訂正がありまして」。どの部分に間違いがあったというのだ。「家賃の初期費用なんですが、計算を間違えていました」

 手元に届いていたメールの文面はこうだ。家賃の初期費用を計算してくれという依頼に快く答えてくれた。文面によると、目をつけている賃貸の、家賃は1.8万円であり、敷金等を含めた初期費用は3.7万円ほどだという。それならば、別に目を付けていた物件と比較をしても破格の値段だった。他に候補もなく、早く入居する家を決めたいという理由で、二つ返事で手続きを進める依頼をした。しかし、この初期費用の計算が間違っているという。確かに、足し算をすれば金額が1.5万円ほど合わない。

 「初期費用は7.4万円ほどかかりまして」

 担当者が言った。7万円、と思わず聞き返した。提示された額面と二倍も数字が違う。電話が来る、それまでは、初期投資が少なくなったことに喜んでいたからこそ、数字を受け入れることはすぐにはできなかった。それこそ計算を間違えたのではないか。しかし、担当者はそうではないと言った。今度はちゃんと計算したから合っている。冷静に考えれば、この初期費用はやっぱり安い価格なのだろう。

 賃貸の初期費用の相場は、家賃の5〜6ヶ月分程度だという。内訳は一般的に、敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険料となる。オーナーによっては、ハウスクリーニング代を入居者に請求する場合もあるし、鍵交換代や保証料等が追加請求されることがある。礼金はともかく、ハウスクリーニング代や鍵交換代が入居者の自己負担となるのは、我々ケチな人間にとっては受け入れ難く感じるだろう。理屈はこうだ。入居者の入れ替わりで発生する費用は、物件管理上の問題の問題であり、入居者が支払うのはおかしい。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」もそのような考え方だ。しかし、当ガイドラインには強制力がない。したがって、このような費用について、管理者に支払の義務はないのだが、入居者の場合は、入居に同意することは支払いに同意したのと同じ意味になる。「嫌なら借りるな」ということだ。現在では、大半の賃貸がクリーニング代を入居者に請求する。入居の際に不動産及び管理者に支払う金額は、例え月2万円程の格安物件に住もうとしても、一本の単焦点レンズが買えるくらいにはなるということらしい。自分は管理者が負担すべきとの意見に賛成だ。不動産の仲介手数料も、管理者が払ってほしい。でも、世の中はそこまで甘くはないようだ。

 不動産の担当者は「すみません」と言うが、どうしようもない。進学にかかる生活費の計算には、今回の初期費用額は入れていなかった。痛恨のミスだ。無知が露呈した。

 学生寮という選択肢に希望を寄せているが、前年度収入が高いため不可能だろう。おまけに、同じ理由で奨学生の採用候補者から落選してしまっている可能性がある。トホホ。勉強するには金がいる。それにしても、ほとんど帰らない家に数十万円も払うのは本当に勿体無いと思う。大学が許してくれるのであれば、研究室の床にマットと寝袋を敷いて寝泊まりしたいくらいだ。寒い部屋の中で、お金のやり繰り、マジでどうしようと呟いた。当然、誰からの返事もなかった。

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