北と日記

大学院生の多趣味奮闘日記

いざ冬の表丹沢へ

 冬の丹沢の雪景色。途中、アイゼンを付けなければ登れないような道を歩く。気温も下がり、降り注ぐ雹の勢いが増してくる。天気は晴れの予報だった筈だ。登山道の路端には白い雪が山のように積もっていて、先を行った登山者が落書きを残していた。子どもが書いたであろう絵や、ハートや星の記号、大きく書かれた意味のない文字。おそらくは自分が脇道で休んでいる時に、後ろを追い抜いた登山者が付けていった跡だ。視線を下に写すと、ところどころストックで開けた丸い穴が無数に開いている。雪道はアイゼンの鉤爪で掘り返され、土と混じり合い茶色の層を成している。登山道も麓の方では、まだ小石や岩が露出していた。

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 雪景色は花立山荘の辺りで一変する。最も目を惹くのは登山道を覆う樹氷だ。白い雪が枝々で凍りつき、白い花を咲かせている。時折吹く強い風に粉雪が舞い散る。都会に近いこの山で、都会では見られない光景に出くわしていた。胸にカメラを提げた人は、時折立ち止まってはレンズを向けていた。遠くの方に見える神奈川の街が灰色に輝いて見える。

 それから数十メートルほど標高を上げると、曇り空が少しずつ晴れ、雲の間から陽が差し込むようになった。頂上を目指す人々の体を温め、活力を与えてくれる。雪が太陽を眩しく反射していた。ザックからサングラスを取り出した人がちらほらといる。しかし、体力が尽きたのか、あと一歩のところで引き返す人もいる。雪道の傾斜が急に増してきて、軽アイゼンだけでは滑りそうになる。周りを見回す余裕が出てくると、雪原の上に転々と開いた動物の足跡をたくさん見つけた。

Snow tree

Grey town

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With ice

Breeze

 丹沢山脈の厳かで美しい様相に目を奪われ、思わず足を止めた。こうして立ち止まっている時は、ウインドブレーカーのファスナを首元まで上げなければ、急速に体温が奪われていく。鞄からカメラを取り出すのも躊躇する。シャッターを押す指が凍りつきそうになるほど冷たいのだ。ふとファインダーから視線を外すと、キジバトが二羽、山頂の方に向かって羽ばたいて行くのが見えた。

Winter of Tanzawa

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Ice trees

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Cloudy day

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